ASDと聴覚過敏:作業中の音の壁
日常生活の中で、音がどのように感じられるかは人それぞれです。しかし、自閉スペクトラム症(ASD)を持つ人々にとって、音の感じ方で大きな困難を伴うことがあります。
ただし私自身は聴覚過敏と診断されていないことは明確にしておきます。診断されていませんが聴覚過敏のような症状があり、日常生活においても社会生活においても、会話や指示が聞き取れないことがあります。
そもそも聴覚過敏とは?
聴覚過敏とは、特定の音や環境音に対して過剰に敏感になる状態を指します。ASDを持つ人々の中には、日常的な音が非常に大きく、不快に感じられることがあります。例えば、作業中に発生する機械音やキーボードのタイピング音が、他の人には気にならない程度でも、ASDの人にとっては集中を妨げる大きな障害となることがあります。
作業中の困りごと:音の重なり
特に困難なのは、作業音と人の話し声が重なる状況です。例えば、オフィスや学校のような環境では、以下のような問題が生じることがあります:
1. 作業音が人の声をかき消す
機械の音やタイピング音が大きく感じられるため、人の話し声が聞き取りにくくなることがあります。これにより、コミュニケーションが難しくなり、誤解やストレスが生じることがあります。私の場合は掃除機をかけていると、掃除機の音で話しかけられても全く聞き取れません。
2. 音の選別が難しい
ASDの特性として、複数の音が同時に発生すると、それらを選別して聞き分けるのが難しい場合があります。その結果、重要な情報を聞き逃してしまうこともあります。
3. 集中力の低下
聴覚過敏による不快感が集中力を奪い、作業効率が低下することがあります。私の場合は常に気を張っている(緊張)状態が続くため、全く音のしない自室以外ではひどく疲れます。(精神的疲労が大きい)
解決策と工夫
こうした困りごとに対処するためには、いくつかの工夫が考えられます
ノイズキャンセリングヘッドホンの活用
周囲の雑音を軽減することで、必要な音だけに集中しやすくなります。ただし職場で使用する場合は周りの理解も必要となるため、活用できるかどうかは上司や同僚に相談する必要があります。またヘッドホンをおすすめする理由は、ヘッドホンをしていて聴覚過敏であることを周りの人へアピールすることができます。ヘッドホンをすることで作業中に話しかられても聞こえないことが周知でき、周囲の人もわざわざヘッドホンを取って、作業を一時中断して、話せる状況が作れるのを待ってくれるようになります。(周りの人の協力しだいですが)
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静かな作業環境の確保
可能であれば、静かな場所で作業を行うことで、音のストレスを軽減できます。雑音や雑談ができる限りないところで働くことができると、常に気を張る必要がなくなるので疲労が軽減します。
周囲への理解を求める
聴覚過敏について周囲に説明し、音量を調整してもらうなどの協力をお願いすることも有効です。話をするときは、「作業を一時停止して、作業音がない状態で」お願いできるとだいぶ楽になると思います。
最後に
聴覚過敏は、日常的な課題であり、特に作業中の音環境が大きな影響を与えることがあります。しかし、適切な工夫や周囲の理解があれば、その困難を軽減することが可能です。このブログを通じて、こうした課題についての理解が広がり、聴覚過敏を持つ人々がより快適に生活できることを願っています。
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